2019.03.19

【医師監修】ニキビは消毒液で消毒するといいってウソ?ホント?

更新日:2021年4月18日
  
出来てしまったニキビをなんとかしたいとき、「ニキビは消毒液で消毒するといい」という裏ワザを聞いたことがありますか。噂されているこの裏ワザについて、真実を医師の蘇原しのぶ先生に解説していただきました。

消毒液で素早くニキビが治せる?

ニキビの原因はアクネ菌。だったら殺菌をすれば、すぐにニキビが治るのでは?…そんなイメージからか、「ニキビは消毒液で消毒すると良い」というウワサを耳にされたことがある方は多いのではないでしょうか。
 
一日も早くニキビを治したい、そのためには何でもしたい!そんな気持ちになっているときには、どんなウワサでも信じてみたくなってしまいますよね。でも、ちょっと待ってください。ウワサを信じて間違ったことをしてしまうと、よくなるどころか悪化してしまうことも。
 
今回は「ニキビは消毒液で消毒すると良い」というウワサされる裏ワザについて解説します。

ニキビが生じる原因

まずは、ニキビができてしまう原因から考えてみましょう。
 
一言でいうと、ニキビができているときというのは、何らかの原因で毛穴に皮脂がつまり、そこにアクネ菌が増殖して、毛穴の中で炎症を起こしている状態です。
 
正常な状態では、分泌された皮脂は毛穴から汗などとともに排出されます。しかし、お肌の新陳代謝である「ターンオーバー」が正常におこなわれないと毛穴の角質が厚くなってしまい、それにより毛穴の出口がふさがれて、皮脂が毛穴につまってしまいます。
 
そのように毛穴に皮脂がつまると、アクネ菌が過剰に繁殖することになります。そしてこれにより炎症が起こり、ニキビとなります。
 
逆にいうと、アクネ菌の繁殖をおさえれば、ニキビを防げることになります。

消毒液の目的

普段は消毒液をどのような場面で使うでしょうか?
 
転んでしまってケガをした。お料理中に手を切ってしまった。そんなときに消毒液を使いますよね。
 
消毒液にもいろいろありますが、その主な役割のひとつは、傷口からの細菌による感染を防ぐことです。消毒液を使って患部や患部周辺の菌を殺菌する、これが一般的に市販されている消毒液が想定している主な使用目的です。

ニキビに消毒液をつけるとどうなるか

ドラッグストアなどで一般的に市販されている消毒液は、「菌を殺菌する」という使われ方をするものの、「傷口からの細菌による感染を防ぐこと」を想定して作られています。ある程度の殺菌作用はありますから、アクネ菌を減少させる効果はゼロではないでしょう。
 
ただし、これは一時的なもの。一時的にアクネ菌を減少させても、ニキビを完治させるためには適した対処法ではないと考えられます。
 
また、ニキビができているお肌はデリケートな状態。一般的に消毒液はそのような状態のお肌に使われることは想定されていません。ですから、消毒液をつけてしまうと、お肌がもっと荒れてしまうなど、トラブルの悪化が懸念されます。
 
つまり、「ニキビは消毒液で消毒すると良い」というウワサはNG!正しくありません。そのようなウワサに惑わさて自己流でケアをしてしまわずに、正しい対処法でケアしてあげてくださいね。

消毒したいニキビができたときの対処法

消毒液で消毒したいほど炎症のあるニキビができてしまったときには、やはりニキビケアを想定して作られた医薬品や医薬部外品を使うことをおすすめします。なんだかんだで、それが一番の近道。
 
それでもひどい状態が続く場合には、自己流で対処しようとせず、皮膚科医に相談してください。

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この記事を書いたのは
しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ先生
しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ先生

日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。 日本テレビ「スッキリ」等のメディア出演や各企業の美容アドバイザー、オールアバウトガイドなど幅広く活躍している。

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